
30代になってから転職するのは、もう遅いんかな。



一つの会社しか知らない自分が、外で通用するんやろか。



家族も住宅ローンもあるのに、失敗したらどうしよう。
結論からいうと、30代という年齢だけで転職をみじめ、手遅れと考える必要はありません。
ただし、30代なら誰でも簡単に転職できるという意味ではありません。



ぼくは約15年勤めた会社から、33歳で転職活動を始めました。
子どもが3人いて住宅ローンもあるため、他社で通用するのか不安もありました。
今の会社で働き続けられる状態なら、退職を急ぐ必要はありません。
働きながら求人を見て、選考や給料などの条件を今の会社と比べる方法があります。
心身の不調やハラスメントなどで働き続けるのが難しい場合は、休職や退職を先にしてもかまいません。
30代転職はみじめでも手遅れでもない
30代で転職する人も、中途採用を予定する企業も実際にあります。
一方で、年齢別の転職入職率を見ると20代後半より下がるため、根拠のない安心ではなく、現実を知ったうえで準備することが大切です。
この章では、30代の転職が手遅れではない理由と、難しい点を説明します。
30代の転職者と中途採用予定の企業は実際にある
30代になっただけで、転職できなくなるわけではありません。
dodaの転職成功者の平均年齢調査によると、2025年の平均年齢は32.9歳でした。
男性は33.8歳、女性は31.4歳で、平均年齢は3年連続で上昇しています。


年齢構成を見ても、30~34歳は22.2%、35~39歳は12.6%でした。
dodaを利用して2025年に転職した人のなかには、30代も含まれています。
企業側にも中途採用の需要があります。
帝国データバンクの2026年度調査では、中途社員の採用予定がある企業は52.4%でした。
ただし、中途採用予定の企業すべてが30代を求めているわけではありません。


応募できる会社があるかは、年齢だけでなく、職種、経験、勤務地、希望条件によって変わります。
「30代だから無理」と先に決めるより、自分の経歴で応募できる求人を見た方が、今後を考えやすくなります。
30代の転職は20代と同じ難しさではない
30代の転職は手遅れではありません。
ただ、20代とまったく同じではありません。
厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、男性の転職入職率は25~29歳が14.1%、30~34歳が11.4%、35~39歳が7.8%でした。
女性は25~29歳が17.1%、30~34歳が13.1%、35~39歳が9.3%です。


転職入職率は転職の成功率ではありませんが、年齢が上がるにつれて転職する人の割合が下がる傾向は読み取れます。
会社が30代に、これまでの経験や入社後に任せられる仕事を求めることもあります。
だからこそ、若さだけで競うのではなく、今まで何を任され、どんな問題に対応してきたかを伝える準備が必要です。
応募前から年齢だけを理由に諦める必要はありません。
30代の現実を受け止めたうえで、経験と条件が合う会社を探すことが、転職の失敗を減らす一歩です。
30代転職をみじめだと感じるのは年齢だけが理由ではない
「みじめ」という感情の奥には、求人の少なさ、社外での評価、生活条件、不採用への恐れがあります。
不安を一つずつ分けると、何を確かめればいいのか見えてきます。
この章では、30代の転職で「みじめ」と感じる理由を、一つずつ見ていきましょう。
20代より選べる求人が減るように感じる
30代になると、応募条件に実務経験や管理経験が書かれた求人が目につきやすくなります。
未経験可の求人を見ても、若い応募者と比べられるのではないかと不安になるでしょう。
応募したい企業が見つからず、転職エージェント内の選考でも落ちると、「どうしたらよいか分からない」と感じることもあります。
ただ、表示された求人だけで、自分に合う会社が一社もないとは決められません。
希望条件が多すぎると候補が減る一方、条件を外しすぎれば転職後の後悔につながります。
勤務地、給与、休日、仕事内容などを並べ、譲れない条件と相談できる条件を分けてみましょう。
求人が少ないと感じたときは、自分を責める前に、検索条件や使っている求人サイトを変えてみましょう。
長い一社経験ほど外で通用するか分からず新しい仕事も怖くなる
同じ会社に長くいるほど、今の評価がほかの会社でも通じるのか分かりにくくなります。
社内で当たり前にしている仕事は、自分では強みだと気づきにくいものです。



ぼくも約15年間同じ会社にいたため、ほかの会社で通用するのか、新しい仕事を一から覚えられるのか不安でした。
転職すると、商品名、社内ルール、使う道具、仕事の順序など、覚え直すことはあります。
一日の仕事を書き出し、「何をしたか」だけでなく「何に気をつけたか」「誰と話し合ったか」まで振り返ってみましょう。
外で通用するかは、頭の中で考え続けても確定しません。
経験を言葉にし、求人や選考で相手の反応を確かめると、初めて判断できるようになります。
家族・住宅ローン・年収があると失敗を避けたくなる
家族や住宅ローンがある人にとって、転職は自分一人の気持ちだけでは決めにくい問題です。
ぼくは33歳で転職活動をしました。



子どもが3人いて住宅ローンもあるため、失敗できないという不安がありました。
年収を下げたくない一方で、転職しても残業や家族との時間が変わらなければ、会社を移る意味が薄くなります。
この状態で、「挑戦しないと後悔する」と勢いだけで会社を辞めるのはおすすめできません。
家族との相談が必要なら、会社名の好き嫌いだけでなく、現在と候補先の条件を同じ項目で並べると話しやすくなります。
転職活動は、会社を辞める約束ではありません。
生活を守るためにも、今の会社で働き続けられるなら、在職中に求人を見て、実際に示された給料や条件を今の会社と比べましょう。
働き続けるのが難しい状態なら、休職や退職を先にして、生活費や利用できる制度を確認してから転職活動を進める方法もあります。
不採用を自分の価値の否定だと受け取りやすい
不採用はつらいものですが、一社の結果で社会人としての価値すべてが決まるわけではありません。
マイナビの転職活動実態調査2025年版では、対象者全体の応募・紹介求人は平均13.6件、書類通過は5.1件、内定は2.3件でした。


一社の不採用だけで、転職活動全体の結果は決まりません。
転職活動は、複数の会社に応募し、自分の経験や希望条件が合うかを確かめるものです。
不採用が続いたら、年齢だけを原因にせず、応募条件、職務経歴書、希望年収、伝え方のどこで合わなかったかを分けて考えましょう。
書類で落ちるなら応募先と書類、面接で落ちるなら回答と企業理解を見直せます。
活動そのものが苦しくなったときは、転職活動でメンタルがきついときの立て直し方で休み方や相談先を確認できます。
合否は、自分と会社が合うかを知る手がかりです。
落ちた理由を考え、次の応募先や伝え方を変えていきましょう。
30代はゼロからやり直すのではなく社会人経験を持って移る
30代の転職では、新しい知識を覚えながら、これまで身につけた仕事の進め方も使えます。
「スキルが何もない」と感じるときは、資格名だけを探さず、日常業務で繰り返してきた行動から経験を言葉にしてみましょう。
この章では、一社で積んだ経験の見つけ方と、専門経験が足りない場合の考え方を取り上げます。
業種や職種が変わっても持ち運べる経験がある
会社固有の商品や仕組みとは別に、業種や職種が変わっても使える経験は転職時の材料です。
厚生労働省のポータブルスキル見える化ツールでは、業種や職種が変わっても使える力を「ポータブルスキル」と呼んでいます。
仕事のやり方に含まれるのは、今の状況をつかむ、問題を決める、計画する、実行する、変化に合わせるといった力です。
人との関わり方に含まれるのは、社内外の人とのやり取り、上司への報告、後輩や部下への指導などです。
たとえば、納期に遅れないよう作業の順番を変えた経験や、お客さんと社内の意見をまとめた経験は、別の会社でも使えます。
このツールはすべての能力を数値で決めるものではありません。
ポータブルスキルを知ると、資格だけでは見えなかった自分の経験にも気づけます。
スキルが何もないときは仕事の進め方と人との関わり方を言葉にする
「スキルがない」と感じたら、担当業務の名前ではなく、仕事を進めるために取った行動まで分けましょう。
棚卸しでは、次の順番で一つの経験を書きます。
- どのような状況だったか
- 何が問題だったか
- 自分は何を考えて動いたか
- 誰と調整したか
- その後どうなったか
たとえば「顧客対応をしていた」だけでは、応募先の採用担当者は仕事の難しさを判断できません。
後輩への説明、安全や品質の確認、トラブル時の報告も同じです。
数字で示せる実績がなければ、無理に作る必要はありません。
担当範囲、判断した場面、続けてきた工夫を具体的にすれば、経験の中身は伝えられます。
経験が足りない求人は今の仕事に近いものから探す
経験を言葉にすれば、どの求人にも応募できるわけではありません。
専門資格や特定の実務年数が必須の求人では、今の経験だけでは条件を満たせない場合があります。
そのときは「自分には何もない」と決めつけず、今の仕事に近い求人から探しましょう。
同じ業界の別職種、同じ顧客を相手にする別業界、現場経験を使う管理側の仕事など、完全な未経験ではない移り方もあります。
求人票の必須条件と歓迎条件も分けて読みましょう。
必須条件を満たさない求人だけに応募して落ち続けると、年齢が原因だと思い込みやすくなります。
まず今の仕事に近い求人へ応募して、会社の反応を見てみましょう。
足りない経験が分かってから、勉強や資格を考える方が動きやすくなります。
33歳で転職活動した筆者は応募して初めて外での評価を知った
社外で通用するかは、今の会社の中だけで考えても答えが出ません。



ぼくの場合は、求人を見て応募し、面接を受けて、給料などの条件を見ました。
そこで初めて、自分の経験がどう見られるのか分かりました。
ぼくが33歳の転職活動で実際に分かったのは、次の3つです。
15年一社勤務でも書類選考と一次面接を通過できた
一社で長く働いた経験も、応募先が求める仕事と合えば、きちんと見てもらえます。



ぼくは約15年間同じ会社にいたため、転職活動を始める前は、職務経歴書が通るのか分かりませんでした。
仕事を続けながらの活動で、面接にはオンライン形式も使っています。
実際には書類選考はほとんど通過し、一次面接も通過できました。
応募してみるまでは、自分の経験を企業がどう見るか分かりませんでした。
外で通用するか不安なら、転職を決める前に数社へ応募するのも一つの方法です。
面接で何を聞かれたかを振り返れば、どの経験に興味を持ってもらえたのか分かるでしょう。
若い応募者がいても社会人経験を見てもらえる場面があった
若い応募者がいる面接でも、30代の社会人経験を見てもらえる場面はあります。



ぼくが受けた対面面接には、20代と思われる応募者もいました。
一人ずつ順番に面接へ入る形式だったため、待っている間は年齢を意識したのを覚えています。
応募先の会社の面接官からは、社会人経験や、入社後に早く仕事を任せられる点について、肯定的な趣旨の話がありました。
言葉そのものは覚えていませんが、社会人経験を見てもらえていると感じました。
また、この経験だけで30代が20代より有利だともいえないでしょう。
応募先が欲しいのは、年齢そのものではなく、任せたい仕事に合う経験と働き方です。
若い応募者がいても、そこで諦める必要はありません。
これまで任されてきた仕事を、面接で一つずつ伝えましょう。
複数社の内定条件を比べて今の会社以外を選べた
転職先を決めるときは、内定が出たかどうかだけで考えない方がいいです。
複数の会社を同じ項目で比べると、自分に合う会社を選びやすくなります。



ぼくは転職活動を進め、複数社から内定を得ました。
活動前は「今の会社でしか通用しないかもしれない」と考えていましたが、選考を受けて初めて、社外でも評価される経験があると分かりました。
転職後は残業時間が減り、家族と過ごす時間が増えました。
新しい会社の商品やルールを覚える必要はありましたが、15年間で身につけた仕事の進め方までゼロにはなりませんでした。
応募する前から「どうせ無理」と決めつけていたら、外での評価は分からないままでした。
だから、転職前から自分は通用しないと決めず、実際の選考と条件で判断することが大切です。
30代の転職で年収が下がるとは限らないが条件確認は欠かせない
30代で転職しても、年収が下がると決まっているわけではありません。
年収だけで判断せず、残業、休日、勤務地なども同じ表に並べ、承諾前に確認できる条件と入社後まで分からないことを分けましょう。
この章では、年収のデータと、内定を受ける前に見る条件、入社するまで分からない点を説明します。
30代は転職後に賃金が上がった人のほうが下がった人より多い
厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、転職後の賃金が増えた30~34歳は48.6%、変わらない人は20.8%、減った人は29.0%でした。
35~39歳では、増加43.5%、変わらない28.1%、減少23.9%です。


不詳があるため各区分の合計は100%になりませんが、どちらの年代でも賃金が上がった人のほうが下がった人より多い結果でした。
応募する前に、最低限ほしい年収を決めておきましょう。
面接で聞いた仕事と、内定後に示された給料も比べます。
現在の年収と求人票だけで比べず、実際に提示された条件を見てから、転職するかを決めましょう。
内定後は給料だけでなく残業・休日・勤務地も今の会社と比べる
内定後は、年収だけでなく生活に影響する条件を同じ項目で比べましょう。
家族がいる場合は、通勤時間や休日出勤があるかどうかで、家で過ごせる時間も変わります。
求人票、面接で聞いた話、労働条件通知書に書かれた内容が合っているかも見ましょう。
口頭説明だけで分からない点は、転職エージェント経由なら担当者に聞けます。
会社へ直接応募した場合は、内定を受ける前に採用担当者へ質問しておきましょう。
休日をどこまで優先するか迷う人は、転職で休日条件を妥協する前の考え方も確認してみてください。
条件を一つずつ比べると、年収だけでは見えない生活の変化まで判断できます。
入社前に分かる条件と入社後まで分からないことを分ける
転職前に確認できる情報を増やしても、入社後のすべてを予測することはできません。
給与、所定労働時間、休日、勤務地、仕事内容などは、求人票、面接、労働条件通知書で確認できます。
一方、実際の人間関係、繁忙期の空気、配属先による働き方の差は、入社してから分かる部分も残ります。
口コミを見る場合も、投稿時期、部署、職種が自分の応募先と近いかを確かめましょう。
一件の悪い口コミや良い口コミだけで決めず、複数の投稿に共通する内容と、会社側の説明を分けて見ます。
内定が出ても判断できないときは、30代で転職の内定に迷ったときの判断軸で、現職と比べる項目を確認できます。
転職の失敗をゼロにはできません。
入社前に確かめられる条件を確認し、分からない部分を自覚して決めることで、思い込みによる失敗は減らせます。
30代の転職で失敗する確率を下げる6つの進め方
30代の転職では、退職、応募、条件決定を一度に進める必要はありません。
在職中に進められる状態なら、転職したい理由と自分の経験を書き出し、複数の会社を比べてみましょう。
心身の不調やハラスメントなどで勤務の継続が難しい場合は、休職や退職を先にする選択もあります。
どちらの場合も、一人で進まないところだけ誰かに相談すると、今の状態に合う進め方を選びやすくなります。
この章では、在職中に進める場合と、休職や退職を先にする場合を分けて見ていきましょう。
今の会社で働き続けられるなら退職前に求人を見る
今の会社で働き続けられる状態なら、在職中に転職活動を始めると、収入を保ちながら候補を比べられます。
希望に合う求人がないときや、給料などの条件が希望より低いときも、急いで決めずに済むからです。
一方、心身への負担が続く場合や、ハラスメント、安全面の問題がある場合は、在職中の転職活動にこだわらなくて大丈夫です。
休職や退職で職場から離れ、生活費や利用できる制度を確認してから転職活動を始める方法もあります。
在職中なら、まずは求人を見る段階で止めてもかまいません。
次に、応募して書類の反応を見ます。
面接へ進んでも、内定を受けるまで転職を約束したことにはなりません。
仕事が忙しくて活動時間を作れない人は、ブラック企業で転職活動する時間がないときの進め方で、時間の作り方を確認できます。
平日の面接日程が壁になる場合は、転職面接で平日に休めないときの調整方法も使えます。
今の会社で働き続けられるなら、退職届を書く前に求人を一件見てみましょう。


転職したい理由を次の会社で避けたい条件へ変える
転職したい理由は、次の会社を選ぶ条件へ言い換えると役に立ちます。
「仕事がしんどい」だけでは、どの求人を避けるべきか判断できません。
残業が多いなら、次の会社で何時間までなら受け入れられるか考えます。
休日が合わないなら勤務する曜日を、将来が不安なら会社の仕事や自分が任される仕事を見ましょう。
人間関係が理由でも、「上司が嫌だった」だけで終わらせないことが大切です。
すべてを求人票だけで確認することはできませんが、面接で質問する内容は作れます。
転職理由を面接で話すときも、前の会社への不満だけで終わりません。
次の会社でどんな働き方をしたいのかまで話しやすくなります。
辞めたい気持ちを否定する必要はありません。
辞めたい理由を次の会社を選ぶ条件に変えると、同じ悩みが起きそうな会社を避けやすくなります。
経験・できること・任されてきたことを棚卸しする
これまでの仕事を振り返るときは、役職や資格だけでなく、普段から任されてきた仕事も書き出します。
過去の仕事を古い順に並べるだけでは、応募先に合う強みが見えにくいからです。
経験した仕事、似た仕事で使えそうな経験、まだ経験していない仕事の三つに分けましょう。
直接経験には具体例を付け、似た経験は共通する行動を説明します。
未経験の部分は隠さず、入社後にどう覚えるかを考えておきましょう。
たとえば、後輩指導の経験は、人数だけでなく、どの作業をどの順序で教え、つまずいたときにどう対応したかまで書くと伝わります。
自分だけでは言葉にしにくい場合は、同僚から頼まれる仕事や、困ったときに相談される内容も手がかりです。
棚卸しは自信をつけるためだけでなく、応募先との一致と不足を見分けるために行います。
譲れない条件と妥協できる条件を分ける
希望する条件は、すべてを同じように扱わず、譲れないものと相談できるものに分けましょう。
条件が多すぎれば応募先がなくなり、外しすぎれば転職後に同じ悩みを抱えるおそれがあります。
次に、仕事内容、会社規模、役職、在宅勤務、服装など、内容次第で相談できる条件を並べておきましょう。



ぼくの場合は、子ども3人と住宅ローンがあり、年収を下げたくない気持ちがありました。
同時に、残業を減らし、家族と過ごす時間も確保したかったため、給与だけでは決められませんでした。
条件同士がぶつかる場合は、「なぜ必要か」まで書くと順位をつけやすくなります。
求人を見る前に基準を作っておけば、内定が出た勢いだけで選ばずに済みます。
一社の結果で決めず複数社を同じ条件で比べる
転職先は、一社だけを見て決めない方がいいです。
同じ項目で複数の会社を比べると、違いが分かりやすくなります。
面接で感じた印象は、事実と感想を分けてメモしましょう。
たとえば「雰囲気が悪い」ではなく、「質問への回答が曖昧だった」「残業時間の説明が求人票と違った」と書けば、後から見直せます。
一社に落ちた場合も、ほかの会社の反応があれば、経験そのものが評価されないのか、その会社と合わなかったのかを分けられます。
一社目で内定が出ても、比べる会社がなければ、出された条件が自分に合うのか分かりにくいでしょう。
社数を増やすこと自体が目的ではありません。
応募先を二社以上にして、今の会社も含め、同じ項目で比べることが目的です。
必要な作業だけ転職エージェントへ相談する
一人で求人を選んだり、職務経歴書を書いたりするのが難しいときは、転職エージェントへ相談する方法があります。
求人探し、職務経歴書の書き方、面接日の調整、面接後の確認などを手伝ってもらえます。
転職エージェントを使ったからといって、紹介された会社へ転職する義務はありません。
転職エージェントの担当者からの提案が希望と合わなければ、理由を伝えて断ることもできます。
一方、自分で探したい人は、求人サイトから会社へ直接応募する方法も選べます。
まだ転職を決めていない人は、転職エージェントは相談だけでも使えるのかを先に確認してみてください。
転職エージェントへ相談すると、自分では見つけられなかった求人や考え方を知ることもできます。
ただし、どの会社へ行くかは自分で決めましょう。


30代で転職を迷うなら今の状態に合う方法で市場価値を確かめる
市場価値は、診断ツールの点数だけで決まるものではありません。
求人を見て、書類を出し、面接を受けると、自分を必要とする会社や任される仕事が見えてくるでしょう。
内定後に示された給料などの条件も、今の会社や前の会社と比べられます。
この章では、自分が外でどう見られるのかを確かめる方法と、転職しない場合について見ていきましょう。
市場価値は求人・書類・面接・内定後の条件で確かめる
自分の市場価値は、一つの診断結果ではなく、転職活動の各段階で確かめます。
確認する内容は次のとおりです。
- 自分の経歴で応募できる求人があるか
- 書類選考を通過できるか
- 面接まで進めるか
- どの経験を応募先が評価するか
- どの役割を期待されるか
- どの程度の年収や条件を提示されるか
- 自分を必要とする会社があるか
面接で特定の経験を繰り返し聞かれるなら、その経験が社外で注目される材料かもしれません。
内定が出ても、給料などの条件が希望に合わなければ断れます。



ぼくも実際に選考を受け、複数社の反応を見たことで、15年の経験が外でどう見られるかを初めて知りました。
市場価値は固定された点数ではなく、会社や求人との組み合わせで確かめるものです。
納得できる選択肢がなければ今は転職しなくてもいい
転職活動を始めても、納得できる会社がなければ、今の会社に残ってもかまいません。
求人を見た結果、現在の条件が悪くないと分かることもあるでしょう。
仕事内容や条件が今より合う会社から内定が出れば、今の会社と比べて落ち着いて決められます。
まだ求人を見るだけでよいのか、転職エージェントへ相談するのか迷う場合は、相談だけの記事から確認しましょう。
相談先を選ぶ段階まで進んだ人には、30代向け転職エージェント・サイト6選で、選び方と使い分けを紹介しています。
転職活動の目的は、無理に会社を変えることではありません。
「今の会社しかない」という思い込みを外し、残る場合も移る場合も、比べて選べる状態をつくることです。


30代の転職で気になりやすいこと
ここでは、同じ悩みを持つ人が気になりやすいポイントをまとめます。
- 30代で転職するなら何から始めればいい?
-
今の状態に合わせて、在職中に求人を見るか、休職・退職を先にするかを決めましょう。
今の会社で働き続けられるなら、求人の仕事内容と条件を現職と比べながら転職活動を進められます。
心身の不調やハラスメントなどで勤務の継続が難しい場合は、休職や退職を先にしてから転職活動を始めてもかまいません。
どちらの進め方でも、経験を棚卸しして求人や選考の反応を確かめると、自分に合う選択肢が見えてきます。
- 30代で未経験の仕事へ転職するのは無理?
-
30代の未経験転職は、無理とは限りません。
ただし、会社が求める経験や希望する年収によって、難しさは変わります。
業界、お客さん、仕事内容、任される仕事のどこかに、今の経験と近い部分がないか見てみましょう。
経験が少しでも生かせる求人から応募して、会社の反応を見る方法があります。
- 不採用が続いたら転職活動をやめるべき?
-
すぐに自分の価値がないと決める必要はありません。
書類で落ちるのか、面接で落ちるのかを分け、応募先、書類、希望条件、回答内容を見直しましょう。
心身への負担が続く場合は、応募の間隔を空けたり、第三者へ相談したりして立て直すことも大切です。
- 年下上司の会社へ転職するとみじめになる?
-
上司が年下という事実だけで、みじめになるとは限りません。
年齢よりも、仕事の分け方、指示の出し方、何を見て評価されるのか、相談できる人がいるのかを確認しましょう。
面接では、誰と働くのか、入社後にどんな仕事を任されるのかを聞いてみましょう。
30代だから諦める前に今の状態に合う選択肢を比べればいい
30代で転職を考えることは、みじめでも手遅れでもありません。
ただし、20代と同じではなく、これまでの経験や入社後に任せられる仕事を見られることがあります。



ぼくも33歳で転職活動を始めるまでは、約15年同じ会社で働いた経験が外で通用するのか分かりませんでした。
実際に応募し、書類選考と面接を受け、複数の会社から給料などの条件を示してもらいました。
そこで初めて、今の会社以外の道を比べられました。
今の会社で働き続けられるなら、退職を急ぐ必要はありません。
反対に、働き続けることで心身への負担が増えるなら、休職や退職を先にしてもかまいません。
納得できる会社がなければ、今は転職しないと決めてもかまいません。
ほかの会社を見たうえで今の会社に残るのと、最初から諦めて残るのとでは、同じ「残る」でも意味が変わります。
転職するかどうかは、そのあとで決めれば大丈夫です。
今の会社で働けるなら、求人を一件見てみる。
働き続けるのが難しいなら、まず休む。
今の自分に必要な方から始めてみましょう。









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